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SEJ 日本のエネルギーを考える会

94号 コラム  日経新聞よ どうした! −読者を愚弄する稚拙な提灯記事−


カテゴリ:  外部情報    2014-4-23 12:20   閲覧 (1834)
4月18日付日経新聞の夕刊に『「孤高の規制委五人衆」「独善」批判背に、福島の後
悔胸に』という記事があった。

この時点で一体何を言いたいのかといぶかしく思いなが
ら読んでみて、ガッカリするというか呆れてしまったのである。今年の9月には2名の
委員の任期が切れるので、その後任人事についての論評かと思いきや、書いてあること
は、殆ど取材の手間をかけずに手に入るような思い出話程度のもので、それを使って思
い入れたっぷりに規制委委員の一人一人を持ち上げる、まさしく提灯記事の最たるもの
であった。

たとえばこんな具合である。〔以下抜粋〕『田中氏の思いはさらに過去を遡る。・・
旧・日本原子力研究所に就職し、・・・「夢のエネルギー」を追い求めてきたはずが、故郷・福島に悲劇をもたらした。・・・やるせない気持ちから事故後、当事者でもないのに「深く陳謝します」と声明を発表した。・・・島崎氏は・・・「自然の声に耳を傾ける」。信念を貫く姿勢の根底には、やはり後悔の念があった。・・・誰もが地震研究の第一人者と認めていた。大津波がいつかは来ると警告していたが、国の防災対策には反映されず、歯がゆさが残った。・・・中村佳代子委員は・・・福島第1原発の廃炉作業について「(作業員が)プライドを持って働ける環境にしてほしい」と求めた。放射線医学の専門家の立場から、黙っていられなかった。・・・』<・p>
大体、日経新聞の読者は、産業と経済に軸足を置いて客観的に書かれている記事を評価して購読しているのであり、この様なひと眼で提灯記事と分かるような稚拙な記事を読むのに時間を割いたことに怒りを感じるのであるが、そのような重要な事実を日経の編集部は忘れているのではないか。朝日、毎日のような確信犯的な反原発新聞であれば分からないではないが、日経ともあろうものが、規制能力についていろいろ取りざたされている規制委員会委員の資質について、ここまで持ち上げるのは、どの様な理由によるのか考えてみよう。
紙面の穴埋めか、(逆説的な)記者の教育か、編集部の造反か、あるいは産業界に評判の悪い規制委員会の巻き返しを図る民主党の差し金かと、いろいろ可能性は見えて来る。
紙面の穴埋めだとすれば、編集部の裁量の悪さが問題となる。こんな稚拙な記事を通してしまった責任がある。
もっとましな記事を書ける記者はいくらでも居るだろう。
(逆説的な)記者の教育と考えるのは、あの程度の稚拙な記事を書いて仕事をした気になっている記者に対して、外部からかなりの批判が出てくるだろうと思われるからである。記名記事の良さはそこにあるのだが、社内で教育が出来かねるような出来の悪い記者には、外部からの痛烈な批判が最良の薬であろう。そのような機会を作ろうとした編集部の考えという皮肉な見方も出来るが、それは責任転嫁というもの。読者を愚弄することになるし、何よりも購読者に不快な思いをさせて社内の人間を教育してはならないのである。
まさかと思うが、ついに編集部に反原発の人間が入り込み、民主党が配置した規制委員会委員を後押ししようとしているとも取れないことは無い。しかし、そうだとするとこの文章の未熟なことから考えて、相当に程度の低い人間がそうなったということで、切って捨てれば済む話である。かかる編集部員を見つけ出し、排除するのは経営の責任である。
民主党の差し金であった場合はどうか。日経新聞が民主党の思惑に従って動くようになったということになり、重大な事態である。今や国民の相当数がその本性に気付き、衆院選、参院選で壊滅的な敗北を喫した民主党を、産業界の支持によって成り立っている日経新聞が応援しているということになるからである。このようなことは無いと思うが、しばらくの間日経の論調を注視してゆきたい。
いろいろな推論を書いては見たが、何が理由であるにせよ、この様な記事が日経の紙面に載ることが二度と無いように、日経新聞の経営陣に猛省を促したい。(E. I. 記)


コラム

元気になる話(櫻井よしこ氏の原子力に関する講演から)


2014年3月12日日本エネルギー会議の「パンドラの約束」特別先行試写会の講演会で、櫻井よしこ氏がとても良い講演をされた。福島事故からの復活が必ずしも順調に進んでおらず、日本人が新たな方向を模索している中で、示唆に富んで元気の出る話であった。講演の要点と感想を述べてみたい。なおタイトルや感想文中のサブタイトルは筆者が勝手につけたものである。


なぜ、福島の復興は遅れているのか。放射能に対する不安の連鎖と情報汚染講演の要点:

原発の再稼働なくして日本の再建はない。福島第一発電所では取り返しのつかない不幸なことが起こってしまった。しかし、福島第二や女川原発は、福島第一と同程度の地震と津波が来たが無事に停止している。福島第二や女川をもっと評価し誇ってよいのでないか。1000年に一度の地震に耐えているのである。日本の技術は素晴らしいと認めるべきである。福島に何度も足を運んだが、3年経ったのに再建は足踏みしている。つくづく、日本人は科学的マインドが欠落していると感じる。広島、長崎の原爆の疫学調査が行われ、100mSv/年以下の場合、放射線が健康に害を及ぼすかどうかわからないと結論が出ている。それを日本では厳格にして5年で100mSv(1年で20mSv)にしたうえで、さらに1mSv/年に近づけようと決断した。民主党政権の時は心優しく1mSv/年の達成を約束したが、それが独り歩きして縛りをかけることになってしまった。本来は20mSvが非難の基準値である。先日のNHKの避難区域の解除に当たっての報道は、1mSvに縛られ過ぎている例である。NHKの調査では、元の居住地に戻るかどうか尋ねたら戻ると答えた人は少ないようである。一例で、家の周りで1mSv/年、山に入っていく畑では4〜5mSv/年である。これが心配でお爺ちゃんだけが帰り、若夫婦や孫は帰らない。広野町でも1割しか帰っていない。20mSv以下であるにも関わらず帰還していない。20mSvは信用されていない。放射能が怖いのは理解できるが、恐れすぎると悲劇につながる。チェルノブイリ事故の経験もある。<・p>
放射能というと盲目的、感情的になるが科学的合理的マインドを持ってもらいたいものである。
チェルノブイリ事故からよみがえった町、スラブチッチを福島の人と一緒に訪問した。皆様は自費で参加された。そこで聞いたのは「情報汚染」(間違った情報が流されること)が最も怖いということであった。これがあると立ち直れるものも立ち直れない。日本でも「情報汚染」が起こっているのではないか。もっと知る努力をしてもらいたい。その先に福島の立ち直り、日本の立ち直りがある。
感想:日本人の心のやさしさは、きめ細やかで感情豊かな素晴らしい日本文化を作ってきた。世界に誇る文化である一方で、情緒面に走り過ぎ、科学的マインドがややもすれば忘れがちになってしまっている。このことと情報汚染の問題とが相互作用を起こし、日本中を覆い尽くしているようだ。IAEAの調査報告書でも、欧州放射線委員会などの反原発派の予想よりはるかに少ない放射線被害にとどまっていると報告されている。私たちはもっと日本が持っている技術的資産ややり方(ソフトウエア)に自信を持ち、前向きの姿勢をとるべきと講演を聞いて改めて感じた。

再生可能エネルギーは日本を救うのか?


講演の要点:ドイツは13兆円の税金をつぎ込み、20年かけて太陽光発電を推進したが、全発電量の3%しか達成できなかった。ドイツの太陽光発電業者は、2011年から2012年1月にかけて倒産が相次いでいる。事実上撤退したといってよい。
日本は貿易収支が赤字に転じたが、4兆円が化石燃料の輸入増が原因である。このまま続けることはできない。経常収支が赤字に転じ続けた時の貧しさは相当なものである。今豊かな生活をしている人が、昔に立ち返ってもよいというのは無責任。世界には優しい国ばかりではない。隙あらば領土を取ろうとする輩も多い。弱い国はやられてしまう。日本は決して弱い国になってはいけない。国を守る力を強くするには経済がしっかりしていなければならない。そのためには、原発の再稼働が必要である。
感想:現時点で再生可能エネルギーに過大な期待は禁物で、効率を上げ、コストを下げる技術開発に取り組みながらじっくりと進めていくべきと同感した。
原発からの高レベル廃棄物の問題は解決不能なのか?
講演の要点:小泉元首相らが指摘しているように、原発に反対の理由の1つに、廃棄物の問題があげられている。高レベル廃棄物の放射能を自然のレベルに戻すのに10万年かかるが、科学の力で解決できる。プルサーマルを利用することで8千年に減り、高速炉を使うと300年に短縮される。米国、フランスもこのことに気が付き、技術の継承の問題を解決する一助となることもあり、最近は高速炉に積極的になっている。
感想:高速増殖炉をどうするかは国のエネルギー基本計画でも課題の1つに挙げられている。核燃料を増殖する機能はただちに必要とはされないため急ぐことはないが将来をにらんだ大切な技術であり、当面の課題として高レベル廃棄物の放射能問題を無害化ないしは低減化する役割がある。

終わりに


メディアの報道によれば、原子力規制委員会が定めた新規制基準の審査に合格した原子炉であっても再稼働に反対の人が50%を超えるということである。それだけ福島の事故の影響は大きいということであろう。しかし、櫻井氏が強調している
ように今回の事故に対し、日本人がきちんと対処でき、東日本大震災の地震や津波に耐えた原子炉があるのも事実である。
ここに着目すれば、原子力に対し悲観的になる必要はなく、原子力がこの国の未来を救う技術であることは間違いない。
(S. U. 記)

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94号 コラム  日経新聞よ どうした! −読者を愚弄する稚拙な提灯記事−


カテゴリ:  外部情報    2014-4-23 12:20   閲覧 (1834)
4月18日付日経新聞の夕刊に『「孤高の規制委五人衆」「独善」批判背に、福島の後
悔胸に』という記事があった。

この時点で一体何を言いたいのかといぶかしく思いなが
ら読んでみて、ガッカリするというか呆れてしまったのである。今年の9月には2名の
委員の任期が切れるので、その後任人事についての論評かと思いきや、書いてあること
は、殆ど取材の手間をかけずに手に入るような思い出話程度のもので、それを使って思
い入れたっぷりに規制委委員の一人一人を持ち上げる、まさしく提灯記事の最たるもの
であった。

たとえばこんな具合である。〔以下抜粋〕『田中氏の思いはさらに過去を遡る。・・
旧・日本原子力研究所に就職し、・・・「夢のエネルギー」を追い求めてきたはずが、故郷・福島に悲劇をもたらした。・・・やるせない気持ちから事故後、当事者でもないのに「深く陳謝します」と声明を発表した。・・・島崎氏は・・・「自然の声に耳を傾ける」。信念を貫く姿勢の根底には、やはり後悔の念があった。・・・誰もが地震研究の第一人者と認めていた。大津波がいつかは来ると警告していたが、国の防災対策には反映されず、歯がゆさが残った。・・・中村佳代子委員は・・・福島第1原発の廃炉作業について「(作業員が)プライドを持って働ける環境にしてほしい」と求めた。放射線医学の専門家の立場から、黙っていられなかった。・・・』<・p>
大体、日経新聞の読者は、産業と経済に軸足を置いて客観的に書かれている記事を評価して購読しているのであり、この様なひと眼で提灯記事と分かるような稚拙な記事を読むのに時間を割いたことに怒りを感じるのであるが、そのような重要な事実を日経の編集部は忘れているのではないか。朝日、毎日のような確信犯的な反原発新聞であれば分からないではないが、日経ともあろうものが、規制能力についていろいろ取りざたされている規制委員会委員の資質について、ここまで持ち上げるのは、どの様な理由によるのか考えてみよう。
紙面の穴埋めか、(逆説的な)記者の教育か、編集部の造反か、あるいは産業界に評判の悪い規制委員会の巻き返しを図る民主党の差し金かと、いろいろ可能性は見えて来る。
紙面の穴埋めだとすれば、編集部の裁量の悪さが問題となる。こんな稚拙な記事を通してしまった責任がある。
もっとましな記事を書ける記者はいくらでも居るだろう。
(逆説的な)記者の教育と考えるのは、あの程度の稚拙な記事を書いて仕事をした気になっている記者に対して、外部からかなりの批判が出てくるだろうと思われるからである。記名記事の良さはそこにあるのだが、社内で教育が出来かねるような出来の悪い記者には、外部からの痛烈な批判が最良の薬であろう。そのような機会を作ろうとした編集部の考えという皮肉な見方も出来るが、それは責任転嫁というもの。読者を愚弄することになるし、何よりも購読者に不快な思いをさせて社内の人間を教育してはならないのである。
まさかと思うが、ついに編集部に反原発の人間が入り込み、民主党が配置した規制委員会委員を後押ししようとしているとも取れないことは無い。しかし、そうだとするとこの文章の未熟なことから考えて、相当に程度の低い人間がそうなったということで、切って捨てれば済む話である。かかる編集部員を見つけ出し、排除するのは経営の責任である。
民主党の差し金であった場合はどうか。日経新聞が民主党の思惑に従って動くようになったということになり、重大な事態である。今や国民の相当数がその本性に気付き、衆院選、参院選で壊滅的な敗北を喫した民主党を、産業界の支持によって成り立っている日経新聞が応援しているということになるからである。このようなことは無いと思うが、しばらくの間日経の論調を注視してゆきたい。
いろいろな推論を書いては見たが、何が理由であるにせよ、この様な記事が日経の紙面に載ることが二度と無いように、日経新聞の経営陣に猛省を促したい。(E. I. 記)


コラム

元気になる話(櫻井よしこ氏の原子力に関する講演から)


2014年3月12日日本エネルギー会議の「パンドラの約束」特別先行試写会の講演会で、櫻井よしこ氏がとても良い講演をされた。福島事故からの復活が必ずしも順調に進んでおらず、日本人が新たな方向を模索している中で、示唆に富んで元気の出る話であった。講演の要点と感想を述べてみたい。なおタイトルや感想文中のサブタイトルは筆者が勝手につけたものである。


なぜ、福島の復興は遅れているのか。放射能に対する不安の連鎖と情報汚染講演の要点:

原発の再稼働なくして日本の再建はない。福島第一発電所では取り返しのつかない不幸なことが起こってしまった。しかし、福島第二や女川原発は、福島第一と同程度の地震と津波が来たが無事に停止している。福島第二や女川をもっと評価し誇ってよいのでないか。1000年に一度の地震に耐えているのである。日本の技術は素晴らしいと認めるべきである。福島に何度も足を運んだが、3年経ったのに再建は足踏みしている。つくづく、日本人は科学的マインドが欠落していると感じる。広島、長崎の原爆の疫学調査が行われ、100mSv/年以下の場合、放射線が健康に害を及ぼすかどうかわからないと結論が出ている。それを日本では厳格にして5年で100mSv(1年で20mSv)にしたうえで、さらに1mSv/年に近づけようと決断した。民主党政権の時は心優しく1mSv/年の達成を約束したが、それが独り歩きして縛りをかけることになってしまった。本来は20mSvが非難の基準値である。先日のNHKの避難区域の解除に当たっての報道は、1mSvに縛られ過ぎている例である。NHKの調査では、元の居住地に戻るかどうか尋ねたら戻ると答えた人は少ないようである。一例で、家の周りで1mSv/年、山に入っていく畑では4〜5mSv/年である。これが心配でお爺ちゃんだけが帰り、若夫婦や孫は帰らない。広野町でも1割しか帰っていない。20mSv以下であるにも関わらず帰還していない。20mSvは信用されていない。放射能が怖いのは理解できるが、恐れすぎると悲劇につながる。チェルノブイリ事故の経験もある。<・p>
放射能というと盲目的、感情的になるが科学的合理的マインドを持ってもらいたいものである。
チェルノブイリ事故からよみがえった町、スラブチッチを福島の人と一緒に訪問した。皆様は自費で参加された。そこで聞いたのは「情報汚染」(間違った情報が流されること)が最も怖いということであった。これがあると立ち直れるものも立ち直れない。日本でも「情報汚染」が起こっているのではないか。もっと知る努力をしてもらいたい。その先に福島の立ち直り、日本の立ち直りがある。
感想:日本人の心のやさしさは、きめ細やかで感情豊かな素晴らしい日本文化を作ってきた。世界に誇る文化である一方で、情緒面に走り過ぎ、科学的マインドがややもすれば忘れがちになってしまっている。このことと情報汚染の問題とが相互作用を起こし、日本中を覆い尽くしているようだ。IAEAの調査報告書でも、欧州放射線委員会などの反原発派の予想よりはるかに少ない放射線被害にとどまっていると報告されている。私たちはもっと日本が持っている技術的資産ややり方(ソフトウエア)に自信を持ち、前向きの姿勢をとるべきと講演を聞いて改めて感じた。

再生可能エネルギーは日本を救うのか?


講演の要点:ドイツは13兆円の税金をつぎ込み、20年かけて太陽光発電を推進したが、全発電量の3%しか達成できなかった。ドイツの太陽光発電業者は、2011年から2012年1月にかけて倒産が相次いでいる。事実上撤退したといってよい。
日本は貿易収支が赤字に転じたが、4兆円が化石燃料の輸入増が原因である。このまま続けることはできない。経常収支が赤字に転じ続けた時の貧しさは相当なものである。今豊かな生活をしている人が、昔に立ち返ってもよいというのは無責任。世界には優しい国ばかりではない。隙あらば領土を取ろうとする輩も多い。弱い国はやられてしまう。日本は決して弱い国になってはいけない。国を守る力を強くするには経済がしっかりしていなければならない。そのためには、原発の再稼働が必要である。
感想:現時点で再生可能エネルギーに過大な期待は禁物で、効率を上げ、コストを下げる技術開発に取り組みながらじっくりと進めていくべきと同感した。
原発からの高レベル廃棄物の問題は解決不能なのか?
講演の要点:小泉元首相らが指摘しているように、原発に反対の理由の1つに、廃棄物の問題があげられている。高レベル廃棄物の放射能を自然のレベルに戻すのに10万年かかるが、科学の力で解決できる。プルサーマルを利用することで8千年に減り、高速炉を使うと300年に短縮される。米国、フランスもこのことに気が付き、技術の継承の問題を解決する一助となることもあり、最近は高速炉に積極的になっている。
感想:高速増殖炉をどうするかは国のエネルギー基本計画でも課題の1つに挙げられている。核燃料を増殖する機能はただちに必要とはされないため急ぐことはないが将来をにらんだ大切な技術であり、当面の課題として高レベル廃棄物の放射能問題を無害化ないしは低減化する役割がある。

終わりに


メディアの報道によれば、原子力規制委員会が定めた新規制基準の審査に合格した原子炉であっても再稼働に反対の人が50%を超えるということである。それだけ福島の事故の影響は大きいということであろう。しかし、櫻井氏が強調している
ように今回の事故に対し、日本人がきちんと対処でき、東日本大震災の地震や津波に耐えた原子炉があるのも事実である。
ここに着目すれば、原子力に対し悲観的になる必要はなく、原子力がこの国の未来を救う技術であることは間違いない。
(S. U. 記)

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