66号 立川断層誤認があぶり出した「規制委員会・有識者会合」の信用失墜- 読売新聞オンライン、産経新聞、朝日新聞 を読んで -
- カテゴリ: 原子力規制 2013-4-4 17:50 閲覧 (2516)
世の中に使われている物・装置・設備は電気や機械、土木建築などの工学に依っています。勿論その前提には理学があります。工学の長いこれまでの進歩は、失敗しつつもそれを乗り越えて現在にまできています。一発ですぐうまくいくようなものはあまりありませんでした。そこで、失敗から逃げることなくしっかりと受け止め、その原因を調べ、改良を加えて捲土重来を期してきたわけです。失敗という一種の屈辱に負けないで、立ち向かうことこそが工学の真髄のひとつでもあります。
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最近、原子力規制委員会の活動をめぐってメディア、新聞、雑誌等で規制委員の適格性や活動の方向性が取りざたされている。これらの記事については、すべて根拠を確認したわけではないので、そのまま同意するものではないが、一方で、規制委員会側の活動も様々な視点から見て、課題があることを示唆しているように思われる。
IOJでも原子力規制委員会の活動は日本の存立と国益へ大きな影響を与えていると考え、かねがね意見を述べてきたが、その大切さに鑑み、最近の活動状況から1〜2の意見を述べてみたい。
IOJでも原子力規制委員会の活動は日本の存立と国益へ大きな影響を与えていると考え、かねがね意見を述べてきたが、その大切さに鑑み、最近の活動状況から1〜2の意見を述べてみたい。
規制委員会は「規制が何のためにあるのか、基本的なことが判っていない」らしい。米国の規制をみれば良い。NRCの基本姿勢は「原発を安全に動かすにはどうしたらよいか」が基本命題であり、「規制のための規制」を排除する。事業者の創意工夫を引き出すことを重視する。我が国の規制委員会は今のところ正反対である。断層問題を見ていると、原発は動かすのは危険だからなるべく止めようという意図が垣間見える。安全性の確保と運転は原発にとって車の両輪である。運転再開に努力しない規制委には存在理由はない、というのは当然のことであろう。
まず、事業者との対話を軽視している態度そのものが空理空論の安全規制に繋がりかねない。......
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要約】米国マサチューセッツ工科大学で女性初の原子力工学博士号を取得し、米国原子力学会会長を務めたこともあるゲイル・マーカス女史は、1985年から1999年までNRCに在籍していた時の事として、「NRCの良い規制の原則(NRC’s Principles of Good Regulation)」(下表参照)の作成に参画した経験について以下のように述べている。
『およそ20年前のこと、当時NRCは何かと叩かれていました。産業界からは対応が遅い、必要以上に厳しい要件を課す、その要件を勝手に変更すると思われていました。市民団体からは、産業界と馴れ合っていると非難され、市民団体の声を無視していると思われていました。NRC内部では、独立は孤立と同じだと考えるスタッフや管理職もいました。』
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