現在、「再生可能エネルギーに頼れば問題が解決する」という無責任な空気が日本全体を覆っています。それだけで「大量の電力を必要とする先進国たる日本の電力需要が全て賄える」という考えには、これまでのシリーズで説明してきたように、大いに異論があります。
今年5月、政府は地球温暖化対策計画として2030年度において2013年度比26.0％減、2050年までに80％減の温室効果ガスの排出削減を目指すことを閣議決定した。そのためには、原発への依存度を大幅に上げない限り不可能であることは明らかである。
先に開かれたCOP21で、ほぼ全世界が参加して難産の末「パリ協定」が採択された。人類がエネルギー消費を継続していくからには、最終的には原子力や海洋エネルギーのような無尽蔵のエネルギー源を利用する技術で生き残るしかないであろう。COP21での議論の高まりは、技術立国を標榜してきた我が国こそ国際的に貢献できる好機が来たと捉えるべきであろう。
今年の8月15日は70回目の終戦の日でした。当年88歳になる筆者は海軍兵学校に入学したものの志半ばでこの日を迎えました。本稿では「終戦の日、8月15日に想う」と題してその思いを語っていただきました。
ここでは、「長期エネルギー需給見通し」をもとに、(1)その概要、
再生可能エネルギーの導入に熱心に取り組んできたドイツですが、ここにきてその政策は転機を迎えています。わが国も、その行方に注意を払って見ていかなければなりません。