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SEJ 日本のエネルギーを考える会

SEJだより 第14号 欧州・米国での国境炭素税の動き ―日本が取るべき対応ー


カテゴリ:  エネルギー    2021-5-23 18:00   閲覧 (502)


EUは気候変動対策にあまり積極的でない国からの輸入品に対して炭素税を課さなければならないとして、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関する決議を採択した。米国も同様な動きがあり、日本も適切な対応が望まれる。以下にその問題点を紹介する。

1.はじめに


菅総理大臣は2050年に実質的なCO2排出をゼロにするカーボンニュートラルを宣言し、今後、CO2排出抑制の活動が本格化すると予想される。世界中でCO2排出を抑えるためにこれまでも幾つかの施策が行われてきた。一つは炭素税であり、もう一つは排出量取引制度である。


「炭素税」は、炭素の排出量に対して課税され、税率はCO2排出量1トン当たりの金額となる。日本では「地球温暖化対策のための税(温対税)」が炭素税として分類され、税率はCO2トン当たり289円である。
しかし、この「温対税」が、世界の「炭素税」の中ではもっとも低い水準にあると指摘されている。
第1表に欧州の主要国やカナダの例を示すが、炭素税として、日本の289円/tCO2に対して、英国では約8倍の2,538円、フランスで約15倍の5,575円、スウエーデンで30倍近い14,400円となっている。いずれにしても欧州などでは日本の温暖化対策税(炭素税相当)の10倍程度から数十倍の税金がCO2排出に対して課されている。
一方で、脱炭素化の産業構造に転換するには、日本の炭素税を引き上げることは必須になる。環境省資料(1)によると、例えば、鉄鋼における水素還元への転換は十分に高い炭素税がないと経済的に成立せず、炭素税が150USD/tCO2を大幅に上回らないと困難とされている。
またセメント産業でも炭素貯留・再利用のCCUSが成立するには80〜130USD/tCO2の炭素税が必要だし、新航空機燃料が従来の石油ベースのジェットケロシンと競争するには150USD/tCO2が必要と言われている。
2. EUと米国で検討中の国境炭素税


EUでは欧州グリーンディール政策の一環として炭素国境調整措置、いわゆる国境炭素税を検討している。今年3月、EUは気候変動対策にあまり積極的でない国からの輸入品に対して炭素税を課さなければならないとして、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関する決議を採択した。
EUはEU域内で製造された製品におけるCO2排出に対して既に高額の炭素税を課しており、排出量を大幅に削減している。しかしEU域外からの輸入品に対しては排出量の規制がないためにEU域内の製造業における競争力が失われていることが懸念されていた。


CBAMの導入(欧州)
このため欧州委員会は、EU域外の国が十分なCO2排出対策を実施してない場合には、それらの国々からの輸入品に対して炭素税を課すCBAMを導入しようとしている。この制度は、全世界が地球温暖化対策を実行しながら経済活動を公平化することを目的とするものである。例えば、EUがトン当たり1万円の炭素税を課しているとして、日本がトン当たり300円の炭素税しか課してないとすると、EUは日本からの輸入品に対してトン当たり9700円に相当する国境炭素税をかけるという考え方である。


炭素調整料の導入(米国)
一方、米国のバイデン政権は、世界で気候・環境対策を実施ていない国からのエネルギー集約型製品に対して炭素調整料を課すことを検討している。先ずGHG(Greenhouse Gas)課税、いわゆる炭素税として化石燃料の排出量及びプロセス排出量に対して課税((USD/tCO2)する。次に国境税調整措置として(いわゆる国境炭素税)、米国産の鉄やセメントなどなどのエネルギー集約型製品で、外国との貿易戦争に晒された製品(EITE; Energy Intensive, Trade Exposed Product)の製造時に使った化石燃料、EITE製品に含まれる炭素、プロセス排出の累積排出量に対して単位生産量当たりで算出するもので、GGI;Greenhouse Gas Indexである。このGGIが0.5tCO2/t以上、電力では0.25tCO2/MWh 以上となるとGGI適合となり課税される。ちなみに日本の電力は0.47tCO2/MWh(2017年)となり、基準値を大きく上回っている。
米国から外国への輸出に対しては、GGIにGHG税率を乗じた金額が還付される。逆に米国への輸入品に対しては、相手国企業が生産した全EITE製品のGGIにGHG税率を乗じた金額が課税されるという考え方である。
3.EUと米国が国境炭素税についての決議した背景

CBAMはEUの温暖化対策でのCO2排出削減に向けた経済戦略であり、2023年までに影響評価を行った後、電力部門や、セメント、鉄鋼、アルミニウム、製油所、ガラス、化学製品などのエネルギー集約型産業部門を対象として課税することを考えている。
この課税対策は、EUにとって主要な貿易相手国であるアメリカ、中国、イギリス、ロシアと日本に対しては、大きな影響を及ぼすことが予想される。これはEU域内で生産されているか域外で生産されているかにかかわらず、同じ製品に同じ炭素税を課すことで、CO2排出量の多い産業部門も温暖化対策を実施することを強要することで、炭素ゼロ排出に向けて世界規模で行動を起こすことが目的である。
米国が国境税調整措置を検討しているのもEUと同様の背景がある。
4.中国の取り扱いと日本への影響はどうなるか
第2表に発電分野での主要各国のCO2排出係数と主要国のCO2排出量を示す。CO2排出量が世界最大で、かつ電力はCO2排出係数が最大規模なのが中国なので、CBAMが導入されると最も大きな影響を受けるのは中国だが、中国はパリ協定の中でも”途上国扱い”の立場を主張しており、部分的には規制対象外になったり、猶予期間が設けられる可能性もある。


現状のままでは世界で最も影響を受けるのは日本となる。日本からEU・米国へは自動車や映像機器、半導体部品などが多く輸出されているが、特に日本の主要な輸出産業であるこれらの製品に対して高い国境炭素税がかかることになる。こうなると自動車業界などは現地生産を加速する必要性に迫られ、日本から製造業が海外に逃避して日本の産業の空洞化を招くことになる。この結果、日本の失業者が急増し、経済状況は非常に厳しい状況に陥る恐れがある。


5.日本がとるべき対応
5.1 再生可能エネルギー依存への限界
第一に取り組まなければならないことは、日本の電力や製造業におけるCO2排出量を大幅に削減することである。電力分野では、75%程度が石炭やLNG等の化石燃料に依存(2019年実績)していることから、先ずはこの電力分野における化石燃料依存度を可能な限り減らすことである。CO2排出がほぼゼロである主要な電源は、再生可能エネルギーと原子力しかない。
しかし再生可能エネルギーを大量に導入してCO2排出量を減らそうとしてもCO2排出量が減少しないことは既にドイツで証明されている(第2表のドイツの欄を参照)。ドイツでは再生可能エネルギー依存が40%近くになっているが、CO2排出量はほとんど減少してなく、再生可能エネルギー比率が上昇することで電気料金が高騰しただけである。これは再生可能エネルギーは天候や季節に大きく依存する変動電源であるためにバックアップとして常に火力発電所を稼働する必要があるためである。
CO2排出を第一義的に考えると、もう一つのゼロエミッション電源である原子力発電所を増やすこと以外に解決策はない。しかも原子力発電所は福島事故以降、安全性は大幅に改善され、人体に影響を及ぼす事故の確率は限りなく小さくなっている。このため、先ず、既存の原子力発電所の再稼働を最優先課題で推進する必要がある。しかしこの再稼働だけでは間に合わないので、原子力発電所の新規増設を早急に立ち上げることが必須となる。
5.2 国富の流出は避けるべき
国境炭素税は一概に各国の炭素税だけではなく、輸出する製品の製造に使用した化石燃料の量や、製品に含まれる炭素量など、様々な要素があるが、いずれにしてもその国の炭素税は、国境炭素税に対して大きく影響するものとなろう。
このため第二の対策としては日本の炭素税を引き上げることではないかと考える。現在の日本と欧州の炭素税率は大きな開きがあるので、日本における炭素税の税率を引き上げ、EUや米国の税率に少しでも近づけることである。日本の炭素税の引き上げをしなければ、結局は輸出相手国に国境炭素税を課せられることになるので、製造業者にとっては同じ負担となる。国境炭素税の場合は輸出相手国の収入となるので、日本にとっては国富の流出となる。ただ炭素税の引き上げを行うと、日本の電力事業者や製造業者は大幅に増額した炭素税負担を強いられ経済活動が立ち行かなくなるので、電力業者や製造業者の救済についても熟慮が必要となろう。

参考文献
1);環境省資料;炭素税・国境調整措置を巡る最近の動向、www.env.go.jp/policy/siryou2.pdf
2);経産省資料;米国における国境炭素調整を巡る動向、2021年2月001_03_00.pdf (meti.go.jp)

以上
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赤ペンおやじのつぶやき

SEJだより14号でも取り上げたが、中国は自国が発展途上国であるが故にCO2の排出抑制は猶予されるべきであると主張し、これをCOPで認めさせようとしている。世界第二位の経済大国にのし上がり、有人宇宙船を打ち上げようとしておきながらCO2排出に協力をしないための発展途上国とはチャンチャラおかしい。そんな好い加減な理由付けでCO2を2060年まで垂れ流し続けるつもりである。
新疆ウイグル地区での人権弾圧問題で世界中の批判を浴びながら、これは中国の国内問題であるので外国の批判は余計なお節介だと開き直った。一方、中国が新興国であることの理由は都市部と農村部の二重構造が顕著で所得格差が激しいという自国の未熟な政治体制、すなわち国内問題であるにも拘わらず、これを錦の御旗として「発展途上国である」と国際会議の席上強弁しているのである。典型的二枚舌外交と言わざるを得ない。
この様な中国の勝手を日本のマスコミはどうして報道しないのか?


SEJだより 第14号 欧州・米国での国境炭素税の動き ―日本が取るべき対応ー


カテゴリ:  エネルギー    2021-5-23 18:00   閲覧 (502)


EUは気候変動対策にあまり積極的でない国からの輸入品に対して炭素税を課さなければならないとして、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関する決議を採択した。米国も同様な動きがあり、日本も適切な対応が望まれる。以下にその問題点を紹介する。

1.はじめに


菅総理大臣は2050年に実質的なCO2排出をゼロにするカーボンニュートラルを宣言し、今後、CO2排出抑制の活動が本格化すると予想される。世界中でCO2排出を抑えるためにこれまでも幾つかの施策が行われてきた。一つは炭素税であり、もう一つは排出量取引制度である。


「炭素税」は、炭素の排出量に対して課税され、税率はCO2排出量1トン当たりの金額となる。日本では「地球温暖化対策のための税(温対税)」が炭素税として分類され、税率はCO2トン当たり289円である。
しかし、この「温対税」が、世界の「炭素税」の中ではもっとも低い水準にあると指摘されている。
第1表に欧州の主要国やカナダの例を示すが、炭素税として、日本の289円/tCO2に対して、英国では約8倍の2,538円、フランスで約15倍の5,575円、スウエーデンで30倍近い14,400円となっている。いずれにしても欧州などでは日本の温暖化対策税(炭素税相当)の10倍程度から数十倍の税金がCO2排出に対して課されている。
一方で、脱炭素化の産業構造に転換するには、日本の炭素税を引き上げることは必須になる。環境省資料(1)によると、例えば、鉄鋼における水素還元への転換は十分に高い炭素税がないと経済的に成立せず、炭素税が150USD/tCO2を大幅に上回らないと困難とされている。
またセメント産業でも炭素貯留・再利用のCCUSが成立するには80〜130USD/tCO2の炭素税が必要だし、新航空機燃料が従来の石油ベースのジェットケロシンと競争するには150USD/tCO2が必要と言われている。
2. EUと米国で検討中の国境炭素税


EUでは欧州グリーンディール政策の一環として炭素国境調整措置、いわゆる国境炭素税を検討している。今年3月、EUは気候変動対策にあまり積極的でない国からの輸入品に対して炭素税を課さなければならないとして、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関する決議を採択した。
EUはEU域内で製造された製品におけるCO2排出に対して既に高額の炭素税を課しており、排出量を大幅に削減している。しかしEU域外からの輸入品に対しては排出量の規制がないためにEU域内の製造業における競争力が失われていることが懸念されていた。


CBAMの導入(欧州)
このため欧州委員会は、EU域外の国が十分なCO2排出対策を実施してない場合には、それらの国々からの輸入品に対して炭素税を課すCBAMを導入しようとしている。この制度は、全世界が地球温暖化対策を実行しながら経済活動を公平化することを目的とするものである。例えば、EUがトン当たり1万円の炭素税を課しているとして、日本がトン当たり300円の炭素税しか課してないとすると、EUは日本からの輸入品に対してトン当たり9700円に相当する国境炭素税をかけるという考え方である。


炭素調整料の導入(米国)
一方、米国のバイデン政権は、世界で気候・環境対策を実施ていない国からのエネルギー集約型製品に対して炭素調整料を課すことを検討している。先ずGHG(Greenhouse Gas)課税、いわゆる炭素税として化石燃料の排出量及びプロセス排出量に対して課税((USD/tCO2)する。次に国境税調整措置として(いわゆる国境炭素税)、米国産の鉄やセメントなどなどのエネルギー集約型製品で、外国との貿易戦争に晒された製品(EITE; Energy Intensive, Trade Exposed Product)の製造時に使った化石燃料、EITE製品に含まれる炭素、プロセス排出の累積排出量に対して単位生産量当たりで算出するもので、GGI;Greenhouse Gas Indexである。このGGIが0.5tCO2/t以上、電力では0.25tCO2/MWh 以上となるとGGI適合となり課税される。ちなみに日本の電力は0.47tCO2/MWh(2017年)となり、基準値を大きく上回っている。
米国から外国への輸出に対しては、GGIにGHG税率を乗じた金額が還付される。逆に米国への輸入品に対しては、相手国企業が生産した全EITE製品のGGIにGHG税率を乗じた金額が課税されるという考え方である。
3.EUと米国が国境炭素税についての決議した背景

CBAMはEUの温暖化対策でのCO2排出削減に向けた経済戦略であり、2023年までに影響評価を行った後、電力部門や、セメント、鉄鋼、アルミニウム、製油所、ガラス、化学製品などのエネルギー集約型産業部門を対象として課税することを考えている。
この課税対策は、EUにとって主要な貿易相手国であるアメリカ、中国、イギリス、ロシアと日本に対しては、大きな影響を及ぼすことが予想される。これはEU域内で生産されているか域外で生産されているかにかかわらず、同じ製品に同じ炭素税を課すことで、CO2排出量の多い産業部門も温暖化対策を実施することを強要することで、炭素ゼロ排出に向けて世界規模で行動を起こすことが目的である。
米国が国境税調整措置を検討しているのもEUと同様の背景がある。
4.中国の取り扱いと日本への影響はどうなるか
第2表に発電分野での主要各国のCO2排出係数と主要国のCO2排出量を示す。CO2排出量が世界最大で、かつ電力はCO2排出係数が最大規模なのが中国なので、CBAMが導入されると最も大きな影響を受けるのは中国だが、中国はパリ協定の中でも”途上国扱い”の立場を主張しており、部分的には規制対象外になったり、猶予期間が設けられる可能性もある。


現状のままでは世界で最も影響を受けるのは日本となる。日本からEU・米国へは自動車や映像機器、半導体部品などが多く輸出されているが、特に日本の主要な輸出産業であるこれらの製品に対して高い国境炭素税がかかることになる。こうなると自動車業界などは現地生産を加速する必要性に迫られ、日本から製造業が海外に逃避して日本の産業の空洞化を招くことになる。この結果、日本の失業者が急増し、経済状況は非常に厳しい状況に陥る恐れがある。


5.日本がとるべき対応
5.1 再生可能エネルギー依存への限界
第一に取り組まなければならないことは、日本の電力や製造業におけるCO2排出量を大幅に削減することである。電力分野では、75%程度が石炭やLNG等の化石燃料に依存(2019年実績)していることから、先ずはこの電力分野における化石燃料依存度を可能な限り減らすことである。CO2排出がほぼゼロである主要な電源は、再生可能エネルギーと原子力しかない。
しかし再生可能エネルギーを大量に導入してCO2排出量を減らそうとしてもCO2排出量が減少しないことは既にドイツで証明されている(第2表のドイツの欄を参照)。ドイツでは再生可能エネルギー依存が40%近くになっているが、CO2排出量はほとんど減少してなく、再生可能エネルギー比率が上昇することで電気料金が高騰しただけである。これは再生可能エネルギーは天候や季節に大きく依存する変動電源であるためにバックアップとして常に火力発電所を稼働する必要があるためである。
CO2排出を第一義的に考えると、もう一つのゼロエミッション電源である原子力発電所を増やすこと以外に解決策はない。しかも原子力発電所は福島事故以降、安全性は大幅に改善され、人体に影響を及ぼす事故の確率は限りなく小さくなっている。このため、先ず、既存の原子力発電所の再稼働を最優先課題で推進する必要がある。しかしこの再稼働だけでは間に合わないので、原子力発電所の新規増設を早急に立ち上げることが必須となる。
5.2 国富の流出は避けるべき
国境炭素税は一概に各国の炭素税だけではなく、輸出する製品の製造に使用した化石燃料の量や、製品に含まれる炭素量など、様々な要素があるが、いずれにしてもその国の炭素税は、国境炭素税に対して大きく影響するものとなろう。
このため第二の対策としては日本の炭素税を引き上げることではないかと考える。現在の日本と欧州の炭素税率は大きな開きがあるので、日本における炭素税の税率を引き上げ、EUや米国の税率に少しでも近づけることである。日本の炭素税の引き上げをしなければ、結局は輸出相手国に国境炭素税を課せられることになるので、製造業者にとっては同じ負担となる。国境炭素税の場合は輸出相手国の収入となるので、日本にとっては国富の流出となる。ただ炭素税の引き上げを行うと、日本の電力事業者や製造業者は大幅に増額した炭素税負担を強いられ経済活動が立ち行かなくなるので、電力業者や製造業者の救済についても熟慮が必要となろう。

参考文献
1);環境省資料;炭素税・国境調整措置を巡る最近の動向、www.env.go.jp/policy/siryou2.pdf
2);経産省資料;米国における国境炭素調整を巡る動向、2021年2月001_03_00.pdf (meti.go.jp)

以上
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赤ペンおやじのつぶやき

SEJだより14号でも取り上げたが、中国は自国が発展途上国であるが故にCO2の排出抑制は猶予されるべきであると主張し、これをCOPで認めさせようとしている。世界第二位の経済大国にのし上がり、有人宇宙船を打ち上げようとしておきながらCO2排出に協力をしないための発展途上国とはチャンチャラおかしい。そんな好い加減な理由付けでCO2を2060年まで垂れ流し続けるつもりである。
新疆ウイグル地区での人権弾圧問題で世界中の批判を浴びながら、これは中国の国内問題であるので外国の批判は余計なお節介だと開き直った。一方、中国が新興国であることの理由は都市部と農村部の二重構造が顕著で所得格差が激しいという自国の未熟な政治体制、すなわち国内問題であるにも拘わらず、これを錦の御旗として「発展途上国である」と国際会議の席上強弁しているのである。典型的二枚舌外交と言わざるを得ない。
この様な中国の勝手を日本のマスコミはどうして報道しないのか?

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