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SEJ 日本のエネルギーを考える会

93号 『国連科学委員会も「放射線の影響なし」と確認』-事実をまやかす反原発の報道-


カテゴリ:     2014-3-28 15:00   閲覧 (2128)
IOJだより 


放射線関連
編集局

コンカ氏がForbesに奇稿した記事のなかで、「USNCSERの報告書では、福島の原発事故による識別可能な人 体への影響はなかったとしている」と述べています。
1.はじめに
福島第一原子力発電所が事故を起こしてからこの3月11日で3年が経過しましたが、東日本の復興は遅々として進んでいないばかりか、相変わらず放射線危険神話をばらまく一部マスコミの不見識な報道が一般国民の意識を金縛りにして、まともな議論すら為されない状況が続いています。
IOJではこれまでにも、放射線について「正しく恐れる」ことが重要であるとの主張を繰り返してきました。2012年4月9日に発行した第35号では「福島第一原発周辺地域の早期復興のために」と題して、英国オックスフォード大学の名誉教授であるウェイド・アリソン博士の著作『放射線と理性なぜ「100ミリシーベルト」なのか』(徳間書店 2011年7月31日刊)を紹介しました。

アリソン博士はこの著作の中で「(1)100ミリシーベルト未満の被曝では、どの点から見ても健康リスクは存在しない。(2)低いレベルの放射線を慢性的に浴びて累積値が100ミリシーベルトに達した場合でも、細胞には放射線などで損傷された遺伝子を修復する機能が備わっており、健康リスクは更に低いものになる」と主張しています。この博士の主張を受け入れたとすると、現在11万人以上と言われている強制避難をさせられている人々の多くが故郷に帰れることになります。

アリソン博士はオックスフォード大学の名誉教授ですし、多くのデータを駆使してこのような結論を出されたのですが、マスコミにはあまり取り上げられることが有りませんでした。少数意見という取り扱いだったのでしょうか?大変残念な気持ちでいたのですが、その後このような主張を積極的に裏付ける記事が2013年1月11日付の米国の雑誌「フォーブス」に取り上げられていたので紹介致します。

2.Forbesの記事より
やや古くなりますが2012年12月に発表された「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」の報告書を論評する形でコンカ氏(James Conca;ニューメキシコ州立大学)がフォーブスに寄稿したものです。UNSCEARは、1955年に活動を開始した世界各国の専門家で構成される独立機関であり、国際放射線防護委員会(ICRP)の使用する基礎資料を提供しているということですので、偏りのない国際組織であると言えるでしょう。



このフォーブスの記事にはいくつかの論点が有りますが、その中で特に重要なのは「UNSCEARは、福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている」と述べていることです。これは、福島事故の結果放出された放射線を浴びた国民の中に、その放射線による健康への影響を受けた人がいないことを国連の科学委員会が認めたことを意味しています。別の言い方をすると、低線量被曝については人体への影響は無いという考え方は既に少数意見ではなく、国際的に認められた考え方なのであるということです。もう少し具体的には、低線量の被曝をした場合でも確実に健康影響が出るという古い仮説にとらわれる必要が無いということを国連の科学委員会が言っているということですから、これ以上権威のある組織の判断が有りうるでしょうか。


別の例をあげてみましょう。右の図は米国の各州の自然放射能の線量とがんの死亡率の関係を示しているものですが、この程度の低い線量を長い期間あびても相関がないことが示されています。当然ながら、年間100mSv以下では被曝量が2倍になっても発がん率は2倍になりません。
人体への影響はまったくないのです。ちなみに、復興庁の発表している「放射線リスクに関する基礎的情報」によりますと、「事故後4ヶ月間の外部被ばく実効線量の推計値は、2013年12月31日までに推計が終了した約51万5千人のうち94.9%の方が2mSv未満、99.8%の方が5mSv未満、99.97%の方が10mSv未満(最高値25mSv)という結果でした。こうした結果から、福島県『県民健康管理調査』検討委員会では『放射線による健康に影響があるとは考えにくい』と評価しています。」と明確に記されています。
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/20140218_basic_information_all.pdf

3.間違った情報をすりこまれてしまった日本国民
低い線量でも浴びれば危険だという間違った情報を刷り込まれてしまった日本国民の経済的・心理的負担は甚大です。ただでさえストレスを抱える被災者には著しく有害でもあります。そのような間違った情報を否定するこれだけのデータ、意見が有るにもかかわらず、マスコミはこれを無視して
報道せず、ひたすら「子供のことを考えると放射線が怖い」と述べる若いお母さんの画像を報道し続けています。今後もこうした報道を続けることは、不安をいたずらに煽る犯罪行為といえるのではないでしょうか。

更に、コンカ氏はこの報告書が「食品について福島事故への過剰反応とも言うべき基準見直しを実施した日本にとって特に重要だ」と述べています。「世界的に認められた食品中の放射能レベルは1kg当たり1000ベクレル(米国の場合は1200Bq/kg)だ。大部分はCs137とSr90が占めるが、こうした基準値はIAEAやUNSCEARのような組織が数十年にわたる研究に基づいて設定している。

福島の事故後、国民の被曝への恐怖が報道されたので、これを鎮める効果を期待して日本は基準値を従来の半分とした。それでも恐怖心は高まるばかりであったので、政府は国際基準値の10分の1に下げたのである。放射能は国民が考える以上に危険である、あるいは食品は有毒であると伝えることで、沈静化できると思ったのか?彼等は正気だったのか?」と書いています。民主党政権時にこの事故が起こったことが、日本にとって何よりも運が悪かったという他はありません。当事者能力も、政権担当能力も無かった民主党の取った政策はいずれも、彼が指摘する通り正気だったとは思えないからです。
4.食品の放射性物質の基準値を引き下げる理由は無かった
コンカ氏はさらに続けています。「食品の放射性物質の基準値を引き下げる理由は無かった。半減期の短い放射性核種がすでに崩壊してしまったことを思えばなおさらだ。国際的な基準値は確固たる根拠に基づいて設定されており、それを引き下げることは日本の農家や消費者をさらに痛めつける以外、何の役にも立たない。」「UNSCEARのヴォルフガング・ワイス委員長は、事故のあった原発の周辺地域の住民、労働者、子供たちには、放射能による健康への影響は一切観察されていないと述べている。これは世界保健機関や東京大学がすでに発表した研究成果とも一致している。原発周辺地域の住人が被ばくした放射線量は非常に低く、識別できるような健康被害が生じることは全く考えられない。」


これらの見解を冷静に検討し理解すれば、現在福島原発周辺で行われている不必要なまでの除染作業(費用がかさみ、放射性物質を貯め込むために処分が難しくなる)を止めることが出来ますし、農産物、海産物などの取引、流通も回復し、生まれ故郷への帰還も早めることが出来ることになるのでしょう。

5.日本では「放射能怖い病」が治らないのはどうしてなのでしょうか
この様な、科学的に根拠が明確な国際的に認知された報告書が有るにもかかわらず、いつまでも日本では「放射能怖い病」が治らないのはどうしてなのでしょうか。
人間には元から防衛本能により「安全だ」という話より「危険だ」という話の方を信じやすいという性向が有るそうです。「危険だ」という話を信ずることによって、危険な状況を避けて生き延びて来たという歴史的体験に基づいているのだといいます。あるいは「安全だ」という話を信じてひどい目に遭ったということもできるでしょう。この本能的な性向をうまく利用して国民を翻弄するのが、反日・反原発活動家、あるいは反自民党勢力の共産党、社民党、あるいは民主党などの常套手段であると言って良いでしょう。

6.Scaremonger(スケアモンガー)とは
英語でもScaremonger(スケアモンガー)という表現が有ります。直訳すると「恐怖商人」といったところなのですが、もう少し意訳して「恐怖心を煽ることで商売をしている者」とすれば分かりやすいと思います。朝日、毎日、東京各紙、そしてNHKがこの範疇に入るように思われます。

UNSCEARの報告書をないがしろにして、毎年3月11日を機に、「放射線が怖くて、子供のことを考えると故郷には帰れない」といった類のインタビュー内容を繰り返し放送するNHKの体質は、このスケアモンガー以外の何ものでもありません。テレビや新聞で繰り返し報道されると、視聴者や読者はいつの間にか「放射線は危険である」という考え方が脳に刷り込まれてしまうのだそうです。刷り込みが執拗ですから、国民の多くが朝日新聞や共産党が言っていることと同じことを反射的に述べるようになってしまいます。
そうなると、まともな政策を実行しようとする党が政権を握っても、有権者の意見に反することは、恐ろしくてなかなか実行することが出来なくなってしまいます。このような悪循環の輪をどこかで切らなくてはなりません。

7.報道機関の情報を鵜呑みにしないで
悪循環の輪を切るために、不合理なマスコミ、あるいは活動家の常套手段を十分に理解し、その煽りに載せられずに、冷静な判断をする健全な精神を身に着けるようにしたいと心から思うのです。
不見識なマスコミの報道を安易に信ずることをせず、自ら労をいとわずに例えば放射線医学研究所の「放射線被ばくに関する基礎知識」あるいは日本保健物理学会の「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」などを参照して、正確な情報を得る努力をすることが今何よりも必要とされているのではな
いでしょうか。
さらに、1点問題が残っています。コンカ氏に「正気か?」と言われた民主党が設定した1ミリシーベルトの空間線量率や、一般食料品の100ベクレルという非現実的な規制値は、未だに修正されずに独り歩きしています。

自民党といえども、「放射能怖い病」にかかっている有権者の意識がどこにあるか分からない以上、彼等の反発を呼ぶかもしれない規制値の修正は怖くてできないからです。
NHKもこれを良いことに「規制値を超える放射能を検出した」と報道します。筆者が見ていてがっかりしたのは、小名浜だったと思いますが、試験操業でとれた魚から120ベクレルの放射能が検出された時です。当然「規制値を超える放射能を検出」というテロップになります。その危険性(より正確には「危険でないこと」)については全く触れません。

上の図で示したように米国やEUでは1000ベクレルあるいは1250ベクレルで害が無いとしているにもかかわらず、日本だけ100ベクレルをわずかに超えた魚が食べられないのです。これでは、いつまでも漁業の本格操業再開が遅れることになってしまいます。
日本では一部の報道機関が東日本の復興を妨げていると言って良いでしょう。今こそ、マスコミの偏った報道から解放されるべく、各人が正しい情報にアクセスして、放射線についての正しい知識を武器に、報道機関の横暴を排除すべき時なのだと考えるのです。
(E . I . 記)

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93号 『国連科学委員会も「放射線の影響なし」と確認』-事実をまやかす反原発の報道-


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IOJだより 


放射線関連
編集局

コンカ氏がForbesに奇稿した記事のなかで、「USNCSERの報告書では、福島の原発事故による識別可能な人 体への影響はなかったとしている」と述べています。
1.はじめに
福島第一原子力発電所が事故を起こしてからこの3月11日で3年が経過しましたが、東日本の復興は遅々として進んでいないばかりか、相変わらず放射線危険神話をばらまく一部マスコミの不見識な報道が一般国民の意識を金縛りにして、まともな議論すら為されない状況が続いています。
IOJではこれまでにも、放射線について「正しく恐れる」ことが重要であるとの主張を繰り返してきました。2012年4月9日に発行した第35号では「福島第一原発周辺地域の早期復興のために」と題して、英国オックスフォード大学の名誉教授であるウェイド・アリソン博士の著作『放射線と理性なぜ「100ミリシーベルト」なのか』(徳間書店 2011年7月31日刊)を紹介しました。

アリソン博士はこの著作の中で「(1)100ミリシーベルト未満の被曝では、どの点から見ても健康リスクは存在しない。(2)低いレベルの放射線を慢性的に浴びて累積値が100ミリシーベルトに達した場合でも、細胞には放射線などで損傷された遺伝子を修復する機能が備わっており、健康リスクは更に低いものになる」と主張しています。この博士の主張を受け入れたとすると、現在11万人以上と言われている強制避難をさせられている人々の多くが故郷に帰れることになります。

アリソン博士はオックスフォード大学の名誉教授ですし、多くのデータを駆使してこのような結論を出されたのですが、マスコミにはあまり取り上げられることが有りませんでした。少数意見という取り扱いだったのでしょうか?大変残念な気持ちでいたのですが、その後このような主張を積極的に裏付ける記事が2013年1月11日付の米国の雑誌「フォーブス」に取り上げられていたので紹介致します。

2.Forbesの記事より
やや古くなりますが2012年12月に発表された「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」の報告書を論評する形でコンカ氏(James Conca;ニューメキシコ州立大学)がフォーブスに寄稿したものです。UNSCEARは、1955年に活動を開始した世界各国の専門家で構成される独立機関であり、国際放射線防護委員会(ICRP)の使用する基礎資料を提供しているということですので、偏りのない国際組織であると言えるでしょう。



このフォーブスの記事にはいくつかの論点が有りますが、その中で特に重要なのは「UNSCEARは、福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている」と述べていることです。これは、福島事故の結果放出された放射線を浴びた国民の中に、その放射線による健康への影響を受けた人がいないことを国連の科学委員会が認めたことを意味しています。別の言い方をすると、低線量被曝については人体への影響は無いという考え方は既に少数意見ではなく、国際的に認められた考え方なのであるということです。もう少し具体的には、低線量の被曝をした場合でも確実に健康影響が出るという古い仮説にとらわれる必要が無いということを国連の科学委員会が言っているということですから、これ以上権威のある組織の判断が有りうるでしょうか。


別の例をあげてみましょう。右の図は米国の各州の自然放射能の線量とがんの死亡率の関係を示しているものですが、この程度の低い線量を長い期間あびても相関がないことが示されています。当然ながら、年間100mSv以下では被曝量が2倍になっても発がん率は2倍になりません。
人体への影響はまったくないのです。ちなみに、復興庁の発表している「放射線リスクに関する基礎的情報」によりますと、「事故後4ヶ月間の外部被ばく実効線量の推計値は、2013年12月31日までに推計が終了した約51万5千人のうち94.9%の方が2mSv未満、99.8%の方が5mSv未満、99.97%の方が10mSv未満(最高値25mSv)という結果でした。こうした結果から、福島県『県民健康管理調査』検討委員会では『放射線による健康に影響があるとは考えにくい』と評価しています。」と明確に記されています。
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/20140218_basic_information_all.pdf

3.間違った情報をすりこまれてしまった日本国民
低い線量でも浴びれば危険だという間違った情報を刷り込まれてしまった日本国民の経済的・心理的負担は甚大です。ただでさえストレスを抱える被災者には著しく有害でもあります。そのような間違った情報を否定するこれだけのデータ、意見が有るにもかかわらず、マスコミはこれを無視して
報道せず、ひたすら「子供のことを考えると放射線が怖い」と述べる若いお母さんの画像を報道し続けています。今後もこうした報道を続けることは、不安をいたずらに煽る犯罪行為といえるのではないでしょうか。

更に、コンカ氏はこの報告書が「食品について福島事故への過剰反応とも言うべき基準見直しを実施した日本にとって特に重要だ」と述べています。「世界的に認められた食品中の放射能レベルは1kg当たり1000ベクレル(米国の場合は1200Bq/kg)だ。大部分はCs137とSr90が占めるが、こうした基準値はIAEAやUNSCEARのような組織が数十年にわたる研究に基づいて設定している。

福島の事故後、国民の被曝への恐怖が報道されたので、これを鎮める効果を期待して日本は基準値を従来の半分とした。それでも恐怖心は高まるばかりであったので、政府は国際基準値の10分の1に下げたのである。放射能は国民が考える以上に危険である、あるいは食品は有毒であると伝えることで、沈静化できると思ったのか?彼等は正気だったのか?」と書いています。民主党政権時にこの事故が起こったことが、日本にとって何よりも運が悪かったという他はありません。当事者能力も、政権担当能力も無かった民主党の取った政策はいずれも、彼が指摘する通り正気だったとは思えないからです。
4.食品の放射性物質の基準値を引き下げる理由は無かった
コンカ氏はさらに続けています。「食品の放射性物質の基準値を引き下げる理由は無かった。半減期の短い放射性核種がすでに崩壊してしまったことを思えばなおさらだ。国際的な基準値は確固たる根拠に基づいて設定されており、それを引き下げることは日本の農家や消費者をさらに痛めつける以外、何の役にも立たない。」「UNSCEARのヴォルフガング・ワイス委員長は、事故のあった原発の周辺地域の住民、労働者、子供たちには、放射能による健康への影響は一切観察されていないと述べている。これは世界保健機関や東京大学がすでに発表した研究成果とも一致している。原発周辺地域の住人が被ばくした放射線量は非常に低く、識別できるような健康被害が生じることは全く考えられない。」


これらの見解を冷静に検討し理解すれば、現在福島原発周辺で行われている不必要なまでの除染作業(費用がかさみ、放射性物質を貯め込むために処分が難しくなる)を止めることが出来ますし、農産物、海産物などの取引、流通も回復し、生まれ故郷への帰還も早めることが出来ることになるのでしょう。

5.日本では「放射能怖い病」が治らないのはどうしてなのでしょうか
この様な、科学的に根拠が明確な国際的に認知された報告書が有るにもかかわらず、いつまでも日本では「放射能怖い病」が治らないのはどうしてなのでしょうか。
人間には元から防衛本能により「安全だ」という話より「危険だ」という話の方を信じやすいという性向が有るそうです。「危険だ」という話を信ずることによって、危険な状況を避けて生き延びて来たという歴史的体験に基づいているのだといいます。あるいは「安全だ」という話を信じてひどい目に遭ったということもできるでしょう。この本能的な性向をうまく利用して国民を翻弄するのが、反日・反原発活動家、あるいは反自民党勢力の共産党、社民党、あるいは民主党などの常套手段であると言って良いでしょう。

6.Scaremonger(スケアモンガー)とは
英語でもScaremonger(スケアモンガー)という表現が有ります。直訳すると「恐怖商人」といったところなのですが、もう少し意訳して「恐怖心を煽ることで商売をしている者」とすれば分かりやすいと思います。朝日、毎日、東京各紙、そしてNHKがこの範疇に入るように思われます。

UNSCEARの報告書をないがしろにして、毎年3月11日を機に、「放射線が怖くて、子供のことを考えると故郷には帰れない」といった類のインタビュー内容を繰り返し放送するNHKの体質は、このスケアモンガー以外の何ものでもありません。テレビや新聞で繰り返し報道されると、視聴者や読者はいつの間にか「放射線は危険である」という考え方が脳に刷り込まれてしまうのだそうです。刷り込みが執拗ですから、国民の多くが朝日新聞や共産党が言っていることと同じことを反射的に述べるようになってしまいます。
そうなると、まともな政策を実行しようとする党が政権を握っても、有権者の意見に反することは、恐ろしくてなかなか実行することが出来なくなってしまいます。このような悪循環の輪をどこかで切らなくてはなりません。

7.報道機関の情報を鵜呑みにしないで
悪循環の輪を切るために、不合理なマスコミ、あるいは活動家の常套手段を十分に理解し、その煽りに載せられずに、冷静な判断をする健全な精神を身に着けるようにしたいと心から思うのです。
不見識なマスコミの報道を安易に信ずることをせず、自ら労をいとわずに例えば放射線医学研究所の「放射線被ばくに関する基礎知識」あるいは日本保健物理学会の「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」などを参照して、正確な情報を得る努力をすることが今何よりも必要とされているのではな
いでしょうか。
さらに、1点問題が残っています。コンカ氏に「正気か?」と言われた民主党が設定した1ミリシーベルトの空間線量率や、一般食料品の100ベクレルという非現実的な規制値は、未だに修正されずに独り歩きしています。

自民党といえども、「放射能怖い病」にかかっている有権者の意識がどこにあるか分からない以上、彼等の反発を呼ぶかもしれない規制値の修正は怖くてできないからです。
NHKもこれを良いことに「規制値を超える放射能を検出した」と報道します。筆者が見ていてがっかりしたのは、小名浜だったと思いますが、試験操業でとれた魚から120ベクレルの放射能が検出された時です。当然「規制値を超える放射能を検出」というテロップになります。その危険性(より正確には「危険でないこと」)については全く触れません。

上の図で示したように米国やEUでは1000ベクレルあるいは1250ベクレルで害が無いとしているにもかかわらず、日本だけ100ベクレルをわずかに超えた魚が食べられないのです。これでは、いつまでも漁業の本格操業再開が遅れることになってしまいます。
日本では一部の報道機関が東日本の復興を妨げていると言って良いでしょう。今こそ、マスコミの偏った報道から解放されるべく、各人が正しい情報にアクセスして、放射線についての正しい知識を武器に、報道機関の横暴を排除すべき時なのだと考えるのです。
(E . I . 記)

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