概要
岸田総理が主導したGX実行会議では、2050年以降の脱炭素社会を構築し維持するためには、「原子力を可能な限り活用する」ことが不可欠とされた。
2050年の電力需要は2030年の約1.5倍と見込まれ、発電量を増大する必要がある。「原子力を可能な限り活用する」のに必要な新増設炉の建設期間を考えると今直ちに着手する必要があるが、そのような状況は見られない。
岸田総理が主導したGX実行会議では、2050年以降の脱炭素社会を構築し維持するためには、「原子力を可能な限り活用する」ことが不可欠とされた。
2050年の電力需要は2030年の約1.5倍と見込まれ、発電量を増大する必要がある。「原子力を可能な限り活用する」のに必要な新増設炉の建設期間を考えると今直ちに着手する必要があるが、そのような状況は見られない。
CO2排出量ゼロ(CN:カーボン・ニュートラル)は2050年以降も持続する必要があるが、2050年以降運転期間を終了する発電所が急増するので、原子力の発電規模を維持するためには、新設炉の建設を継続的に進める必要があることにも留意しなければならない。
本稿は必要となる原子炉の設備容量と基数を示し、建設着手に懸念される事項を明らかにした。
1.2050年CO2排出量ゼロに必要な原子力発電の規模
(1) 2050年における電力需要は2030年の約1.5倍
2050年には人口減や省エネの進展など電力需要を下げる要因もあるが、EV車の増大など電力活用分野の拡大や情報産業、半導体産業などの電力多消費産業の進展により需要を押し上げる要因が上回ると想定される。地球環境産業技術開発機構(RITE)は年間電力需要を1.3〜1.5兆kWhと、2030年の約9340億kWh1)の約1.5倍2)を予測している。以下の2050年の原子力発電規模の試算に当たっては、年間需要(=発電量)を平均値の1.4兆kWhとした。
(2)CO2排出量ゼロで期待される原子力発電の規模
2050年のCO2ゼロ実現には、発電はすべて脱炭素電源とする必要があり、このためには、
再生可能エネルギー(再エネ)を最大限活用するとしても、安定再エネ(水力)は10%程度が限界。変動再エネ(太陽光と風力)は昼夜の日射や数日の気象変動の吸収がせいいっぱい。週を超える気候変動や夏冬の季節間変動の吸収は現実的でなく再エネは発電比率で30〜40%程度が妥当と考える。
化石燃料はCCUSやCCSにCO2利用や貯蔵、あるいは水素、アンモニアなどに燃料転換をしても10〜20%程度。変動再エネのバックアップ電源やへき地での活用が主となろう。
これらを勘案すると、安全性を強化した原子力は技術的にも安定した脱炭素電源であり、30〜40%程度を期待したい。以下にこの可能性について試算した。
(3) 2050年における原子力発電比率と原子炉基数のシミュレーション
運転期間が60年と80年、原子力発電比率は20%、30%と40%のケースについて、2050年に必要となる新設発電炉の基数を試算した。残存炉の基数を除いて新たに必要となる基数は以下の通りである。(基数は120万kWと160万kWの発電容量の基数を示す。)
運転期間60年
原子力発電比率20%では10基(160万kW)〜14基(120万kW)、30%では23基(160万kW)〜30基(120万kW)、40%では35基(160万kW)〜45基(120万kW)
運転期間80年
原子力発電比率20基では120万kW、160万kWとも2基、30%では 14(基160万kW)〜20基(120万kW)、40%では27(基160万kW)〜45基(120万kW)
上記試算では実現可能性のある枠組をケースとして選定したもので、現在の法的制約等(運転期間は審査期間を除いて最長60年、新増設は既存の発電所内のリプレースに限る)は配慮しなかった。
詳細については参考資料に示す。
2.日本の原子力発電炉の建設能力
(1)新設炉の建設期間は15年程度
下図はGX実行計画で採択された「次世代革新炉の今後の道行き」 として示された革新炉導入の時間軸である。
この中で商用炉とし取り上げられた革新軽水炉導入のタイムスケジュールは、
2023年基本設計開始→2030年後半運転開始(建設期間約15年程度)
とされている。2030年代後半には運転期間を60年に延長した発電炉の運転終了が始まるので、今直ちに設置計画に着手する必要がある。
新設には設置地域の選定と関係機関の了解取得や環境調査、設置認可など手続きが必要なので、これらを基本設計と同時並行して進めるとしても、2030年代後半の運転開始目標の実現は厳しい建設計画となろう。
(2)新設商用炉建設能力は年間1基程度
我が国は1965年用初号機(東海第一)運開以降、2009年の最新炉(泊3号)の運開までの約40年間に57基の商用炉が運転開始した。
この実績から、
平均的な新設炉年間投入基数の過去実績は約1.5基となる。
しかしながら新設炉着手が途絶えた現在、サプライチェーンの劣化、経験者の引退、新規制制度への対応などを考えると、従前のような規模での建設は容易ではなかろう。
2050年頃までに平均的な新設炉年間投入基数は約1基が妥当な建造能力と言えよう。
(3) 原子力発電比率30%を死守・努力目標は40%!
前述の我が国の建設能力を建設期間15年、原子炉の年間投入基数1基とした場合の、原子力発電比率20〜40%達成の可能性を検討した。その結果、
2024年に(今直ちに)着工し年間完成基数1基とすれば、2050年までに10数基の発電炉の新規稼働が可能となる。
達成可能な原子力発電比率は、GX実行計画で例示された120万kWクラスとすれば、
運転期間60年では20%
運転期間80年では30%
年間完成基数を過去実績の1.5基としても、2050年までの完成基数は20数基で40%には及ばないが、40%に近づけることはできる。
いずれの場合も法的な制約の解除、立地地域の理解、財政支援、規制審査の効率化などが課題となる。
3. 2050年CN実現には原子力比率40%を努力目標とし30%を死守せよ!
GX実行計画の「原子力を最大限活用」を実現するには、原子力発電比率の努力目標を40%、死守限界30%とすることが必須である。
2050年に少なくとも10数基の革新軽水炉投入の具体策として、次の事項を明らかにして実施に移し、今年中の初号機の建設着工が不可欠である。
何が必要か?実施事項の明確化:財政支援制度、地元の理解獲得、環境影響調査実施、革新軽水炉許認可体制整備育成など
誰がやるか?実施体制の整備:推進役としての政府と行政機関の役割の明確化、実施事業者の体制整備、プラントメーカーやサプライチェーン支援、人材育成支援など
何時やるか?タイムスケジュールの設定:熱意ある司令塔、残された期間は少ないことに留意
どこに設置するのか?:新規立地(候補は限られる)、既存敷地内(敷地に余裕がある発電所が対象)、廃炉跡地(廃止措置計画認可を得ている炉の廃炉完了時期はその9割が2050年頃であり再利用には時間がかかる)など
他電源はどの程度活用できるか?エネルギーミックス計画):変動再エネの変動吸収の程度、脱炭素火力導入の程度など
政策レベル、制度レベル、実施レベルに応じた役割を明確化し、それぞれがやるべきことを実行に移す必要があり、これは委員会のような審議会では不可能である。
プロジェクト全体の取りまとめには熱意のある指揮官の就任を期待する。
4. まとめ
脱炭素社会は2050年以降も継続して維持する必要があるとすれば、このためには安定供給が可能な脱炭素電源である原子力の依存度増大が不可欠であり、運転期間を80年に延長し、原子力発電比率40%を努力目標としたうえで、30%を死守することが必須である。
この実現には設置地点の制約や財政的な支援、新設が途絶えたことによる建設能力の劣化対策など、様々な対応が必要となる。80年運転や立地点の確保には制度面での改定も必要になる。
これらの課題を克服することにより、2050年には少なくとも10数基の新増設炉の投入が可能となろう。新設炉の建設期間を15年程度とすれば、今直ちに着工すれば実現可能との試算を示したが、その実現には原子力開発に対してコペルニクス的な革新的(あるいは視点を変えた)対応が必要となることがわかる。
原子力を最大限活用して、2050年以降の脱炭素社会実現を期待したい。
参考資料 2050年における原子力発電量のケーススタディー
(1)試算で想定した条件
2050年の年間発電電力量(=電力需要):1兆4000億kWh
原子力発電の比率:20%、30%、40%(3ケース)
運転期間:60年、80年(2ケース)
原子力発電の稼働率:80%
基数算定に当たっての設備容量:120万kW、160万kW(2ケース)
現状のABWR(140万kW)、GX実行計画で提案されている革新軽水炉(120万kW)、欧州加圧水炉(EPR2、160万kW)を勘案、最少、最大の2ケースとした
(2)必要な発電設備の算出方法
必要発電設備容量:(1)の条件で算出された年間発電量から算出された発電設備容量
必要追加発電容量:必要発電容量から2050年における既存発電設備容量を差し引いた値
新設3基を含む既存炉の残存基数は60年運転では23基、80年運転では36基である。
追加発電設備の基数:必要追加発電容量を新増設基設備容量(120万kWと160万kW)で除した数値(小数点以下切り上げ)
(3)試算結果 必要な発電設備の容量と基数
図に既存発電設備容量の推移と2050年における必要な発電量を示した、2050年以降に関しては特段の考察はせず、経済状況による電力需要変動は考慮せず、2050年の規模が維持されるとした。
表は2050年における必要な新増設基数の算出結果を示したものである。図2に示したように2050年以降の発電容量を一定とすれば、それぞれの時点での基数は、運転終了発電量を新増設で代替するとして求めることができる。
(4)2050年に運転を開始させる必要がある新増設発炉の基数
運転期間60年の場合
20%:発電容量120万kW 14基 ― 160万kW 10基
30%:発電容量120万kW 30基 ― 160万kW 23基
40%:発電容量120万kW 45基 ― 160万kW 35基
運転期間80年の場合
30%:発電容量120万kW 2基 ― 160万kW 2基
30%:発電容量120万kW 20基 ― 160万kW 14基
40%:発電容量120万kW 36基 ― 160万kW 27基
参考文献
1) 「エネルギー基本計画(案)の概要(令和3年9月、資源エネルギー庁)」の「エネルギー需給の見通しのポイント」(P12)による。
2) 「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討(令和2年11月17日、資源エネルギー庁)」の「(参考)RITEによる発電電力量推計」(P28)では約1.3―1.5兆kWh。ここでは中間値の約1.4兆kWhとした。
3) GX実現に向けた基本方針 参考資料(令和5年2月10日、閣議決定)
pdfはこちらから(プリント版)
本稿は必要となる原子炉の設備容量と基数を示し、建設着手に懸念される事項を明らかにした。
1.2050年CO2排出量ゼロに必要な原子力発電の規模
(1) 2050年における電力需要は2030年の約1.5倍
2050年には人口減や省エネの進展など電力需要を下げる要因もあるが、EV車の増大など電力活用分野の拡大や情報産業、半導体産業などの電力多消費産業の進展により需要を押し上げる要因が上回ると想定される。地球環境産業技術開発機構(RITE)は年間電力需要を1.3〜1.5兆kWhと、2030年の約9340億kWh1)の約1.5倍2)を予測している。以下の2050年の原子力発電規模の試算に当たっては、年間需要(=発電量)を平均値の1.4兆kWhとした。
(2)CO2排出量ゼロで期待される原子力発電の規模
2050年のCO2ゼロ実現には、発電はすべて脱炭素電源とする必要があり、このためには、
再生可能エネルギー(再エネ)を最大限活用するとしても、安定再エネ(水力)は10%程度が限界。変動再エネ(太陽光と風力)は昼夜の日射や数日の気象変動の吸収がせいいっぱい。週を超える気候変動や夏冬の季節間変動の吸収は現実的でなく再エネは発電比率で30〜40%程度が妥当と考える。
化石燃料はCCUSやCCSにCO2利用や貯蔵、あるいは水素、アンモニアなどに燃料転換をしても10〜20%程度。変動再エネのバックアップ電源やへき地での活用が主となろう。
これらを勘案すると、安全性を強化した原子力は技術的にも安定した脱炭素電源であり、30〜40%程度を期待したい。以下にこの可能性について試算した。
(3) 2050年における原子力発電比率と原子炉基数のシミュレーション
運転期間が60年と80年、原子力発電比率は20%、30%と40%のケースについて、2050年に必要となる新設発電炉の基数を試算した。残存炉の基数を除いて新たに必要となる基数は以下の通りである。(基数は120万kWと160万kWの発電容量の基数を示す。)
運転期間60年
原子力発電比率20%では10基(160万kW)〜14基(120万kW)、30%では23基(160万kW)〜30基(120万kW)、40%では35基(160万kW)〜45基(120万kW)
運転期間80年
原子力発電比率20基では120万kW、160万kWとも2基、30%では 14(基160万kW)〜20基(120万kW)、40%では27(基160万kW)〜45基(120万kW)
上記試算では実現可能性のある枠組をケースとして選定したもので、現在の法的制約等(運転期間は審査期間を除いて最長60年、新増設は既存の発電所内のリプレースに限る)は配慮しなかった。
詳細については参考資料に示す。
2.日本の原子力発電炉の建設能力
(1)新設炉の建設期間は15年程度
下図はGX実行計画で採択された「次世代革新炉の今後の道行き」 として示された革新炉導入の時間軸である。
この中で商用炉とし取り上げられた革新軽水炉導入のタイムスケジュールは、
2023年基本設計開始→2030年後半運転開始(建設期間約15年程度)
とされている。2030年代後半には運転期間を60年に延長した発電炉の運転終了が始まるので、今直ちに設置計画に着手する必要がある。
図1 次世代革新炉の建造タイムテーブル
新設には設置地域の選定と関係機関の了解取得や環境調査、設置認可など手続きが必要なので、これらを基本設計と同時並行して進めるとしても、2030年代後半の運転開始目標の実現は厳しい建設計画となろう。
(2)新設商用炉建設能力は年間1基程度
我が国は1965年用初号機(東海第一)運開以降、2009年の最新炉(泊3号)の運開までの約40年間に57基の商用炉が運転開始した。
この実績から、
平均的な新設炉年間投入基数の過去実績は約1.5基となる。
しかしながら新設炉着手が途絶えた現在、サプライチェーンの劣化、経験者の引退、新規制制度への対応などを考えると、従前のような規模での建設は容易ではなかろう。
2050年頃までに平均的な新設炉年間投入基数は約1基が妥当な建造能力と言えよう。
(3) 原子力発電比率30%を死守・努力目標は40%!
前述の我が国の建設能力を建設期間15年、原子炉の年間投入基数1基とした場合の、原子力発電比率20〜40%達成の可能性を検討した。その結果、
2024年に(今直ちに)着工し年間完成基数1基とすれば、2050年までに10数基の発電炉の新規稼働が可能となる。
達成可能な原子力発電比率は、GX実行計画で例示された120万kWクラスとすれば、
運転期間60年では20%
運転期間80年では30%
年間完成基数を過去実績の1.5基としても、2050年までの完成基数は20数基で40%には及ばないが、40%に近づけることはできる。
いずれの場合も法的な制約の解除、立地地域の理解、財政支援、規制審査の効率化などが課題となる。
3. 2050年CN実現には原子力比率40%を努力目標とし30%を死守せよ!
GX実行計画の「原子力を最大限活用」を実現するには、原子力発電比率の努力目標を40%、死守限界30%とすることが必須である。
2050年に少なくとも10数基の革新軽水炉投入の具体策として、次の事項を明らかにして実施に移し、今年中の初号機の建設着工が不可欠である。
何が必要か?実施事項の明確化:財政支援制度、地元の理解獲得、環境影響調査実施、革新軽水炉許認可体制整備育成など
誰がやるか?実施体制の整備:推進役としての政府と行政機関の役割の明確化、実施事業者の体制整備、プラントメーカーやサプライチェーン支援、人材育成支援など
何時やるか?タイムスケジュールの設定:熱意ある司令塔、残された期間は少ないことに留意
どこに設置するのか?:新規立地(候補は限られる)、既存敷地内(敷地に余裕がある発電所が対象)、廃炉跡地(廃止措置計画認可を得ている炉の廃炉完了時期はその9割が2050年頃であり再利用には時間がかかる)など
他電源はどの程度活用できるか?エネルギーミックス計画):変動再エネの変動吸収の程度、脱炭素火力導入の程度など
政策レベル、制度レベル、実施レベルに応じた役割を明確化し、それぞれがやるべきことを実行に移す必要があり、これは委員会のような審議会では不可能である。
プロジェクト全体の取りまとめには熱意のある指揮官の就任を期待する。
4. まとめ
脱炭素社会は2050年以降も継続して維持する必要があるとすれば、このためには安定供給が可能な脱炭素電源である原子力の依存度増大が不可欠であり、運転期間を80年に延長し、原子力発電比率40%を努力目標としたうえで、30%を死守することが必須である。
この実現には設置地点の制約や財政的な支援、新設が途絶えたことによる建設能力の劣化対策など、様々な対応が必要となる。80年運転や立地点の確保には制度面での改定も必要になる。
これらの課題を克服することにより、2050年には少なくとも10数基の新増設炉の投入が可能となろう。新設炉の建設期間を15年程度とすれば、今直ちに着工すれば実現可能との試算を示したが、その実現には原子力開発に対してコペルニクス的な革新的(あるいは視点を変えた)対応が必要となることがわかる。
原子力を最大限活用して、2050年以降の脱炭素社会実現を期待したい。
(石井正則 記)
参考資料 2050年における原子力発電量のケーススタディー
(1)試算で想定した条件
2050年の年間発電電力量(=電力需要):1兆4000億kWh
原子力発電の比率:20%、30%、40%(3ケース)
運転期間:60年、80年(2ケース)
原子力発電の稼働率:80%
基数算定に当たっての設備容量:120万kW、160万kW(2ケース)
現状のABWR(140万kW)、GX実行計画で提案されている革新軽水炉(120万kW)、欧州加圧水炉(EPR2、160万kW)を勘案、最少、最大の2ケースとした
(2)必要な発電設備の算出方法
必要発電設備容量:(1)の条件で算出された年間発電量から算出された発電設備容量
必要追加発電容量:必要発電容量から2050年における既存発電設備容量を差し引いた値
新設3基を含む既存炉の残存基数は60年運転では23基、80年運転では36基である。
追加発電設備の基数:必要追加発電容量を新増設基設備容量(120万kWと160万kW)で除した数値(小数点以下切り上げ)
(3)試算結果 必要な発電設備の容量と基数
図に既存発電設備容量の推移と2050年における必要な発電量を示した、2050年以降に関しては特段の考察はせず、経済状況による電力需要変動は考慮せず、2050年の規模が維持されるとした。
表は2050年における必要な新増設基数の算出結果を示したものである。図2に示したように2050年以降の発電容量を一定とすれば、それぞれの時点での基数は、運転終了発電量を新増設で代替するとして求めることができる。
表 2050年における原子力発電量、発電設備容量と基数
(4)2050年に運転を開始させる必要がある新増設発炉の基数
運転期間60年の場合
20%:発電容量120万kW 14基 ― 160万kW 10基
30%:発電容量120万kW 30基 ― 160万kW 23基
40%:発電容量120万kW 45基 ― 160万kW 35基
運転期間80年の場合
30%:発電容量120万kW 2基 ― 160万kW 2基
30%:発電容量120万kW 20基 ― 160万kW 14基
40%:発電容量120万kW 36基 ― 160万kW 27基
参考文献
1) 「エネルギー基本計画(案)の概要(令和3年9月、資源エネルギー庁)」の「エネルギー需給の見通しのポイント」(P12)による。
2) 「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討(令和2年11月17日、資源エネルギー庁)」の「(参考)RITEによる発電電力量推計」(P28)では約1.3―1.5兆kWh。ここでは中間値の約1.4兆kWhとした。
3) GX実現に向けた基本方針 参考資料(令和5年2月10日、閣議決定)
pdfはこちらから(プリント版)