【要約】
「ストレステスト」なるものが、今どのような進行状況にあるのであろうか?
ストレステストは1次評価と2次評価に区別されている。1次評価は定検中の原発が再稼働する条件となるもので、2次評価は全原発を対象に適用される。
昨年の10月から今年の2月までの約15基の原発についての1次評価が電力事業者で実施されて、その結果が国の規制当局である原子力・安全保安院へ提出されている。規制当局はこれらを順次審査しているが、その進みは遅々としている。
規制当局が審査のあと、原子力安全委員会、国際原子力機関(IAEA)の審査や種々の意見聴取会を経た後、地元自治体への説明と了承を取り付けると言う気の長い手続きが続く。最終的な判断は首相、官房長官、経産大臣、原発担当相の4者合議によって行うというのが前菅内閣での決め事。つまり、慎重な手続きと言えばそれまでだが、早々の再起動OKはなかなか出ない複雑な仕組みになっている。福島事故後の当面の再発防止対策を講じ済みで、安全が確認されたより健全な原発を再起動させないで国民生活や産業を瀕死の状態にしておく現民主党政権の政治とはいったい何だろうかと思うのである。このままでは今年夏の電力ピークにも到底間に合わないかもしれないとの懸念に対しても、政治の動きは鈍い